平成最後、夏の終わりに
暑さもひと段落して、改めて感じたことがある。
平成最後の夏が終わった。
この平成最後の年は、後の世代にどのように記憶されるだろうか。ふと、そんなことが頭をもたげる。
第100回の記念大会となった夏の甲子園では、秋田県代表の県立高校が超高校級のエースピッチャーを軸に劇的な展開で決勝まで勝ち上がり、 大旋風を巻き起こした。
山口県の周防大島では、行方不明だった2歳児をボランティアのおじいさんが発見して一躍時の人に。某私立大学の医学部入試では、女子受験生や浪人生が不利になるような得点調整が行われていたことが明るみになって社会を揺るがせた。
元号が、変わる。
ただこれだけのことなのに、人はなぜいちいち感傷的になったりするのだろうか。だいたい、平成29年だって、平成28年だって、もっと言えば全ての年の夏は一回しかなかったろうに。始まれば、いつか終わる。人が生まれやがて死ぬように、ひとつの時代も始まればいつかは終わるのだ。
とはいえ、「最後」は寂しくて、切ない。「夏」というワード、そこから想起される情景がその寂しさ、切なさを増幅させる。蝉の鳴き声、燃え盛るような太陽とアスファルトの照り返し、夕焼けに染まる海の波音。最後の夏は人の心を穏やかなままにしてはくれないのだ。
高校最後の夏、大学最後の夏、人生最後の夏・・・。
来年の夏には、いうまでもなく、新しい元号になっている。昭和の終わりに生まれた私たちの世代は、平成の夏しか知らない。まだ見果てぬ地平が、新しい時代の流れとともにやってくる。
その地平は、希望に満ちたものであってほしい。政治、気候、社会の暗いニュースを一回すっぱりと忘れて、希望を掴むための努力を怠らず、日々を過ごしていきたい。新しい時代が終わるとき、いい時代だったと思えるように。
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